人体ノート 組織、器官、器官系 循環器系 呼吸器系 消化器系 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ [組織]tissue: 機能が特殊化し、協調する細胞の集まり 同一の起源・機能・形態を持つ細胞の集まり 組織が集まって器官をつくる ・[上皮組織]epithelial tissue 保護上皮 ・[筋肉組織] 横紋筋,平滑筋 ・[結合組織]connective tissue 骨組織,脂肪組織 ・[神経組織]nervous tissue 感覚神経,運動神経 [器官]organ: 4種類の組織のうちのいくつかが集まって構造的・機能的に 耳,目,肺,小腸,肝臓,心臓,腎臓 ※植物だと葉,根,花 腸壁は上皮組織(柔毛など) 腸には筋肉組織があり、収縮する この収縮は神経組織がコントロールしている [器官系]: 器官が集まってひとつの機能を担う ・呼吸器系respiratory system ・循環器系circulatory system ・消化器系digestive system ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ [呼吸器系]respiratory system [気管]trachea 食道の前を走る [肺]lung 血液・空気間で、酸素と二酸化炭素が交換される場 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ [循環器系]circulatory system ----------------------------- [血液]blood: 血液=血漿(55%)+血球 5L (体重の1/13=7.7%) 血液の12%までが献血の安全圏 200ml/400ml [血糖]=血中のグルコース(ブドウ糖) :5g (20kcal) [血糖値] :100mg/dLが平均 [血漿]blood plasma 血液の液体成分で様々なものを溶かしている 血液:血漿(55%)+血球 成分: 水(90%) 電解質(カルシウム、ナトリウムなど) 血漿タンパク質(アルブミン、グロブリンなど) グルコース アミノ酸 脂質 ビタミン 尿素 尿酸 ホルモン 酵素 ★二酸化炭素の運搬は血漿と赤血球で行われる [赤血球]erythrocyte [ɪˈrɪθrəsaɪtə], red blood cell, RBC 厚さ:2μm 直径:7~8μm 全血液量の約4割(体積比) 25兆~30兆個(成人) 血液型は赤血球膜の糖脂質分子の違い 成熟の過程で核を放り出す 核や、ミトコンドリアなどの細胞内小器官がない ヘモグロビン分子(574個のアミノ酸からなるタンパク質)が酸素と結合して酸素を運ぶ ヘモグロビン1分子は酸素分子4つと結合できる 胸骨、肋骨、脊髄、鎖骨、肩甲骨、骨盤、頭蓋の骨髄(赤色骨髄)でつくられる 脾臓と肝臓で破壊される 寿命は120日 [白血球]leukocyte, white blood cell, WBC 血液やリンパ中に見られる、核を持つ、色のない細胞 リンパ節や骨髄でつくられる 顆粒球granulocyte 好中球 好酸球 好塩基球 無顆粒球agranulocyte 単球 リンパ球 [血小板]platelet 赤色骨髄で巨核球の細胞が小さくちぎれて血中に出たもの 細胞ではなく細胞の断片(核もない) 赤血球の1/3程度の大きさ 機能 止血・血液凝固 ------------------------------------------------------------------------- [動脈]artery 心臓へ向かう血液を運ぶ血管 ★心臓から肺へ向かう血管も、酸素は少ないが"肺動脈"(the pulmonary artery) ★酸素濃度ではなく、心臓のポンプや動脈壁の筋肉によってドックドックと"動"いている血管 血管の壁が厚く、進展性が少ない 収縮することで、部位毎の血流量を調節できる ex. 内頸動脈、外頸動脈、椎骨動脈、鎖骨下動脈、腋窩(えきか)動脈、上腕動脈 [大動脈]aorta 左心室から出て、大動脈弓を経て、背骨の左前、食道や胃の後ろを下行する [肺動脈幹] 右心室から上へ出て、心臓の外ですぐに左右に分かれる(左肺動脈,右肺動脈) 大動脈弓と動脈管束でつながっている [静脈]vein 心臓から出る血液を運ぶ血管 ★肺から心臓へ向かう血管も、酸素は多いが、"肺静脈"(the pulmonary vein) 静脈弁がある 筋ポンプと静脈弁によって心臓に血液が送られる 血管の壁は薄く、伸展しやすい →血液を大量に貯めることができる(血液の約70%は静脈に存在) [大静脈]vena cava 背骨の右側を縦に走り、右心房に流れ込む [上大静脈]superior vena cava [下大静脈]inferior vene cava 右心房にはいる部分の血圧は3-6mmHgまで低下する [心臓]heart "奉仕する心臓":心房(奉)が上、心室(仕)が下 出生後すぐに細胞分裂は停止 右心房には、上大静脈と下大静脈から静脈血が流れ込む 右心房・左心房は、血液が入ってくる部屋なので、筋肉が薄い 右心室・左心室は、血液を送り出す部屋なので、筋肉が厚い 大静脈vena cava(上大静脈、下大静脈):体の右側を縦走 ↓ [右心房]right atrium ↓ [右心室]right ventricle ↓ 肺動脈plumonary artery ↓ 肺 ↓ 肺静脈pulmonary vein ↓ [左心房]left atrium ↓ [左心室]left ventricle ↓ 大動脈aorta:体の左側を縦走 [肺循環]: 心臓(右心室)→肺動脈(静脈血)→肺→肺静脈(動脈血)→心臓(左心室) [体循環]: 心臓(左心室)→大動脈→毛細血管→大静脈→心臓(右心房) [毛細血管]capillary: 直径5-20μm 血管壁の厚さは細胞1つ分 網の目状になっており、組織と血液の間で、酸素、二酸化炭素、水、塩などが交換される場 [リンパ管]lymphatic vessel: 細動脈と毛細血管から漏れ出た組織間液(血漿が血管外に出たもの)にのせて、タンパク質、異物、病原体、リンパ球などをリンパ節に運び、静脈(静脈角)に送る。体を動かすこと(筋ポンプと弁)によってリンパ液が輸送される。 脂肪は小腸のリンパ管から吸収される ・下半身,左上半身→左静脈角(内頸静脈と鎖骨下静脈のつなぎ目) ・右上半身→右静脈角 [組織間液] 毛細血管から細胞間に滲み出した液体 人間の全体重の50~80%が水分 男性:60% 女性:55% 乳児:77% ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ [消化器系]digetstive system [酵素]enzyme ・生物学的な触媒として働く、水溶性の球状タンパク質 ・化学反応速度を増加させる ・働きに適切な温度がある ・高温で三次構造を失う(壊れる)(酵素によって熱耐性が違う) ・酵素命名法 ①[-in] ペプシン: ペプチド結合(アミノ基とカルボキシル基)の切断 ②[作用対象 + -ase] [アミラーゼ]amylase デンプン(amylum)→麦芽糖(maltose) [マルターゼ]maltase: マルトース(麦芽糖)→グルコース+グルコース [ラクターゼ]lactase: ラクトース(乳糖)→グルコース+ガラクトース [ペプチダーゼ]peptidase: ペプチド結合を切断(加水分解)し、polypeptideの分解を助ける [リパーゼ]lipase: 脂質(lipid)→脂肪+脂肪酸 ※[触媒](catalyst):過酸化水素水+二酸化マンガン→酸素が発生 ※人間の酵素の熱耐性の方がバクテリアの酵素の熱耐性よりも高いので、人間は発熱によってバクテリアを殺す [消化酵素]: 消化機能を持つ酵素 酵素なので、それ自体は変化せず繰り返し使われる。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 3大栄養素の消化 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ [デンプンの分解] デンプンamylum,starch:ブドウ糖(グルコース)がつながったもの ①口 唾液:アミラーゼ デンプン→麦芽糖(マルトース) ②十二指腸 膵液:アミラーゼ デンプン→麦芽糖(マルトース) ③小腸 粘膜の酵素:マルターゼ 麦芽糖(マルトース)→グルコース ↓ 小腸(柔毛)の毛細血管から吸収される(門脈へ) ------------- [デンプン]:アミロース(直鎖)とアミロペクチン(側鎖)の混合物 [十二指腸]:胃と小腸の間 [ヨウ素液]:デンプンの検出 [ベネディクト液]:糖の検出 糖はCu2+を還元する [-ose]は炭水化物を表す [グルコース](=デキストロース,=ブドウ糖)glucose: [ガラクトース]galactose: 乳糖(ラクトース)の構成物、 肝臓でグルコースに変換される "gala-":milk [フルトコース](=果糖)fluctose: 肝臓でグルコースに変換される --- [マルトース](=麦芽糖)maltose: =glucose + glucose [ラクトース]lactose:乳糖 =glucose + galactose 無色・無味 [スクロース](=ショ糖、=砂糖)sucrose: =glucose + fluctose 角砂糖:1粒3~4g ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ [タンパク質の分解] : タンパク質→アミノ酸 ①胃 [塩酸]HCl 内容物の殺菌 タンパク質の立体構造を変え、ペプチド鎖を露出 ペプシノーゲンをペプシンに変換 [ペプシン] ペプチド結合(アミノ基とカルボキシル基の結合)の切断(タンパク質→ポリペプチド) ※胃壁は、胃壁から分泌される特殊な粘液によって守られている ②十二指腸duodenum 膵液: ポリペプチド→オリゴペプチド 膵液中の消化酵素 トリプシン キモトリプシン エラスターゼ ③小腸の消化酵素の3ステップ 粘膜表面: オリゴペプチド→ジペプチド、アミノ酸 粘膜細胞の管腔膜の酵素 カルボキシペプチダーゼ アミノペプチターゼ ジペプチターゼ ↓ 小腸(柔毛)の毛細血管から吸収される(門脈へ) ------------- [タンパク質]protein アミノ酸がペプチド結合でつながったもの 体全体の18%がタンパク質(水についで多い) [アミノ酸]amino acid 炭素(α-carbon)を中心に次の4つがつながったもの ①アミノ基(-NH2) ②カルボキシル基(-COOH) ③水素(-H) ④側鎖(-R) →アミノ基とカルボキシ基がペプチド結合(縮合反応)することで直鎖状になる 無色の結晶 ★余剰なアミノ酸は、保存されずに分解され(脱アミノ化)され、有害なアンモニアが生成される→肝臓 非極性R側鎖 G, Gly グリシン A, Ala アラニン V, Val バリン (必須) L, Leu ロイシン (必須) I, Ile イソロイシン (必須) M, Met メチオニン (必須) F, Phe フェニルアラニン (必須) Y, Tyr チロシン W, Trp トリプトファン (必須) P, Pro プロリン 極性R側鎖 S, Ser セリン T, Thr トレオニン (必須) C, Cys システイン N, Asn アスパラギン Q, Gln グルタミン 酸性R側鎖 D, Asp アスパラギン酸 E, Glu グルタミン酸 塩基性R側鎖 K, Lys リシン (必須) R, Arg アルギニン (子供には必須) H, His ヒスチジン (必須) [ペプチド結合]: カルボキシル基(-COOH)のOHと、アミノ基(-NH2)のHが水分子として落ちる(縮合反応)→カルボキシル基のCとアミノ基のNが共有結合(ペプチド結合)する ペプシン:ペプチド結合を切る酵素 タンパク質の例 筋肉、皮膚、腱、毛髪、爪、酵素(球状タンパク質)、ヘモグロビン ケラチン(αhelix) コラーゲン(体内にもっとも大量に存在するタンパク質) フィブロイン(絹,βpleated shee) カゼイン ヒストン アルブミン ヘモグロビン(アミノ酸574個) インスリン(アミノ酸51個) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ [脂肪の分解] 脂肪:グリセリン(=グリセロール) + 3×脂肪酸 人間の乾燥体重の21%は脂肪 ①十二指腸 ①-1 胆汁(総胆管):胆汁酸とリン脂質phospholipid(レシチン) →脂肪の乳化 ※肝臓→胆嚢(=苦玉)→十二指腸 ①-2 膵液(膵管):リパーゼ →トリグリセリドを加水分解 →モノグリセリド(2-モノアシルグリセロール) + 2×脂肪酸 →細胞膜(脂質二重層)を通過 →細胞内でトリグリセリドが再合成される →リンパ管 →左静脈角から静脈へ ↓ 小腸(柔毛)の中心リンパ管から吸収される ------------- ★脂肪の消化は十二指腸(胆汁と膵液)で完結する [脂肪](トリグリセリドtriglyceride) :グリセリン(=グリセロール) + 脂肪酸×3 [グリセリン](=グリセロール) C3H8O3 ヒドロキシ基(-OH)が3つあり、脂肪酸のカルボキシ基(-COOH)と共有結合ができる 結合している脂肪酸によって以下の呼称 モノグリセリド: グリセリン + 脂肪酸×1 ジグリセリド: グリセリン + 脂肪酸×2 トリグリセリド: グリセリン + 脂肪酸×3 [モノグリセリド](2-モノアシルグリセロール) :グリセリン(=グリセロール) + 脂肪酸×1 [脂肪酸]fatty acide 天然に存在する脂肪酸の炭素鎖はほとんど枝分かれがない 炭素と水素の鎖で、末端にカルボキシ基(-COOH)を持つ分子 [飽和脂肪酸]saturated fatty acid: 炭素結合間が単結合だけで、反応性が小さく、室温でロウ状 単結合は直線性の高い空間配置をとりやすく、非常に密に固まりあう →室温で固まる傾向(脂) ex ブタン酸 ミリスチン酸(テトラデカン酸) パルミチン酸(ヘキサデカン酸) ステアリン酸(オクタデカン酸) アラキジン酸(エイコサン酸) [不飽和脂肪酸]unsaturated fatty acide: 炭素間の二重結合を、1つ以上持ち、室温で液状 二重結合は炭化水素の鎖にねじれを持ち込み、密な集合を妨げる →室温で液体の傾向(油) ex [オレイン酸](9-オクタデセン酸): C17H33COOH 天然の自然の半分以上がオレイン酸 [リノール酸](9,12-オクタデカジエン酸): C17H31COOH ★必須脂肪酸 植物油中に多量に存在する 肝臓でリノレン酸からも合成される [リノレン酸](9,12,15-オクタデカトリエン酸): C17H29COOH ★必須脂肪酸 [アラキドン酸](5,8,11,14-エイコサテトラエン酸): ★必須脂肪酸 エイコサノイド(プロスタグランジン,ロイコトリエン)の原料 → EPA(5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸): [脂質]lipid :脂肪、コレステロール ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ [口] デンプンを消化:唾液(アミラーゼ) [食道] 気管の背後を縦走する [胃] ・タンパク質を消化(塩酸,ペプシン) ・体の左側(肝臓の反対側)から真ん中に位置する [十二指腸]duodenum 胃と小腸をつなぐ管(約25cmのC字状) ①胆汁と②膵液を分泌 ①胆汁 総胆管←胆嚢←肝臓 ・脂肪の乳化 ②膵液 主膵管,副膵管←膵臓 1500ml/日が分泌(成人) ・タンパク質、デンプン、脂肪の分解 ・デンプンを消化:膵液(アミラーゼ) ・タンパク質を消化:膵液(トリプトシンなど) ・脂肪を分解:胆汁,膵液 ★脂肪の消化は十二指腸(胆汁と膵液)で完結する [胆汁]bile,gall 肝臓でつくられ、胆嚢gall bladderを経て、十二指腸から分泌される 脂肪を乳化(粒を小さくする)させる ①胆汁酸: 界面活性作用で脂肪を乳化させる 胆汁中の有機物の約50% コレステロールから生成される 脂肪が吸収される前にミセルから遊離し、90%以上が回腸で吸収されて肝臓にもどる(腸肝循環)→1回の食事で2回循環する ②胆汁色素 ビリルビン(ヘモグロビンの分解産物) 腸内でウロビリノーゲンになり酸化してウロビリンになる [膵臓]pancreas ★[膵液]pancreatic juiceは3大栄養素すべての消化にかかわる アミラーゼ、トリプシン、リパーゼ 十二指腸と脾臓の間に位置する 膵液と胆汁(脂肪の乳化)が分泌される穴がある 膵液の分泌(セクレチンに対する反応) 1.5L/日 ランゲルハンス島からはインシュリンやグルカゴンを分泌し、血糖値を調整 [小腸]small intestine [空腸]jejunum [回腸]ileum ★小腸は炭水化物・タンパク質の消化にはかかわるが、脂肪には関わらない ・デンプンを消化:粘膜の酵素(麦芽糖→グルコース) ・タンパク質を消化(膵液) ・栄養素の吸収 ブドウ糖・アミノ酸→毛細血管 脂肪酸・モノグリセリド→リンパ管 ・絨毛の表面の細胞は5日ではがれ落ちる ・柔毛の膜に組み込まれた酵素 [マルターゼ]:マルトース(麦芽糖)→グルコース(ブドウ糖) [アミノペプチターゼ]:ポリペプチド→小ペプチド、アミノ酸 [ジペプチターゼ]:ジペプチド→アミノ酸 ・3大栄養素の吸収(小腸の柔毛) ■デンプン→ブドウ糖→毛細血管 ■タンパク質→アミノ酸→毛細血管 ■脂肪→モノグリセリド・脂肪酸→細胞膜を通過→細胞内でトリグリセリドに再合成→リンパ管→静脈 [大腸] [盲腸]cecum [結腸]colon [直腸]rectum 盲腸から肛門までの約1.5mの管 消化液は分泌されず、消化は行われない ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 感覚器官:外の情報(刺激)を感知する器官(インプット) ⇔運動器官:外部に働きかける(反応)器官(アウトプット) ------------------------------------------------------------------------- [目] [瞳] [角膜]cornea [ˈkɔːrni‿ə] レンズを保護する レンズとしての役割で、目に入ってくる光を屈折する (屈折の70%は角膜で起きる) レーシックで削るのは角膜の表面 [虹彩]iris 瞳孔(ひとみ)を囲むドーナツ状の膜。瞳孔の大きさを調節する。 明るいところでは虹彩が縮んで、瞳孔が小さくなる(瞳孔反射) 目の色は、虹彩の色 [レンズ](水晶体)crystalline lense 厚さが変わることでピントを合わせる 白内障は水晶体が濁る病気 ・遠くを見るとき(休止状態) →毛様体筋が弛緩 →毛様体小体を引っ張る →レンズが平坦化 ・近くを見るとき →毛様体筋が収縮 →毛様体小体が弛緩 →レンズが膨らむ [網膜]retina 光を受け取って、それを神経上の信号に変換する場所 [視神経]optic nerve: 網膜が受け取った刺激を脳に運ぶ神経 [rod]桿体細胞(かんたいさいぼう) 網膜周辺 foveaにはない 暗い光にも反応 スペクトラムの高周波数帯(青)に敏感 →暗いところでは青い色が映える 反応する閾値が低い(弱い光にも反応する) [cone]錐体 foveaに多い カラーで詳細 低周波数帯(赤)・中周波数帯(緑)・高周波数帯(青)の3種類 哺乳類では、霊長類と一部のリス以外は持たない スペクトラムの低周波数帯(赤)に敏感 →明るいところでは赤い色が映える 霊長類と一部のリスをのぞき、哺乳類はconeを持たない 反応する閾値が高い(弱い光には反応しない)→暗くなると色が見えない 女性の方が、閾値がわずかに低い→星の色を見分け易い ------------------------------------------------------------------------- [耳] [蝸牛][うずまき管] 中はリンパ液で満たされている 二重構造(前庭階と鼓室階)になっており、リンパ液で満たされている。 音は前庭階の蝸牛底から蝸牛頂へいき、鼓室階につながり、ふたたび蝸牛底へと伝わる 上部で低音、下部で高音を感知する [半規官]semicurcular cannals (三半規管) 平衡感覚をつかさどる 内リンパで満たされている ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ [神経系]nervous system 情報を運ぶ働き [中枢神経系](CNS, Central Nervous System): ・[脳]brain 大脳cerebrum 小脳cerebellum 脳幹brainstem 中脳 橋pons 延髄 ・[脊髄]spinal cord 頚髄 胸髄 腰髄 仙髄 尾髄 神経活動の統合をつかさどる [末梢神経系](PNS,Peripheral Nerve System): 中枢神経以外(頭蓋骨と脊柱の外)の神経系 ①[脳神経](12対) ②[脊髄神経](31対)spinal nerves ③[自律神経]autonomic nerve 内臓と中枢を連絡する [交感神経]sympathetic nerves [副交感神経] ・[体性神経] 感覚神経sensory nerv(求心性神経) 運動神経motor nerve(遠心性神経) ------------------------------------------------------------------------- ●通常の反応 目(感覚器官)・・・遠くに人の像が見える ↓ 感覚神経(末梢神経)=入力 ↓ 脊髄(中枢神経) ↓ 大脳(中枢神経)・・・その像が自分の友だちであることに気づく ↓ (脊髄(中枢神経)) ↓ 運動神経(末梢神経) ↓ 腕(運動器官)・・・手を振る 脊髄神経: 体性運動・体性感覚、内臓運動・内臓感覚の4種類、31対 ------------- ●[脊髄反射]=[反射]reflex 感覚器官からの情報が脳まで行かずに脊髄や脳幹で処理され、下位中枢のみで出力まで処理される ・大脳で処理されない ・無意識(大脳に情報がいっていない) ・うまれつき ・反応が速い(危険から身を守る) ex [屈曲反射][伸展反射] 右足で画鋲を踏む(侵害刺激) →右足は屈曲 →左足は伸展 [瞳孔反射] 虹彩の収縮 [伸張反射] 膝蓋腱反射 筋を引き伸ばすと、筋が収縮する反射 [頚反射] 頭部を一側に向ける→同側の上下肢が伸展・体側の肢が屈曲 頭部の前屈→上肢の屈曲・下肢の伸展 頭部の後屈→上肢の伸展・下肢の屈曲 前庭が後ろに傾くと、手が伸びて(手をつくため)、脚が縮む ●[条件反射] 情報は大脳で処理されるが、無意識に処理される 刺激に対する反応も ・パブロフの犬(ベルの音でよだれを出す) ・梅干し→唾液 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骨格筋は屈筋(二頭筋)と伸肉(三頭筋)がセットになっていることが多い [じん帯]ligament 関節で、骨と骨をつなぐコラーゲン繊維束 [腱]tendon 筋肉の両端で、筋肉と骨格をつなぐコラーゲン繊維束 ------------------------------------------------------------ その他 植物と動物の比較 血液-樹液(循環しない) 血管-維管束 心臓-蒸散(道管液)