四角形⊃台形⊃平行四辺形⊃長方形、ひし形
長方形⊃正方形
ひし形⊃正方形
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<さまざまな四角形の定義・性質・条件>
「対辺」 : 四角形の向かい合う辺
「対角」 : 四角形の向かい合う角
[台形](trapezoid)
・定義: 1組の対辺が平行である四角形
[平行四辺形](parallelogram)
・定義: 2組の対辺が、それぞれ平行である(台形の一種)
・性質(対角線をのぞく):
①(定義)2組の対辺が、それぞれ平行である
②2組の対辺がそれぞれ等しい(長さ)
③2組の対角がそれぞれ等しい
④となり合う角の和が180度
・対角線の性質
①それぞれの中点で交わる
→対角線で区切られた4つの三角形はすべて等積(平行四辺形の1/4)
・条件:
①(定義)2組の対辺がそれぞれ平行である
②2組の対辺がそれぞれ等しい(長さ)
③2組の対角がそれぞれ等しい
④対角線がそれぞれの中点で交わる
⑤1組の対辺が平行で等しい
[長方形](rectangle)
・定義: 4つの角が等しい四角形
・性質(対角線をのぞく):
①4つの角が等しい(定義)
②平行四辺形の性質すべて(平行四辺形の一種だから)
・対角線の性質:
①それぞれの中点で交わる(平行四辺形の一種だから)
②長さが等しい
・条件:
①4つの角が等しい(定義)
②対角線の長さが等しい平行四辺形
[ひし形](rhombus)
・定義: 4つの辺が等しい四角形
・性質(対角線をのぞく):
①4つの辺が等しい(定義)
②平行四辺形の性質すべて(平行四辺形の一種だから)
・対角線の性質:
①それぞれの中点で交わる(平行四辺形の一種だから)
②直交する
・条件
①4つの辺が等しい(定義)
②対角線が直交する平行四辺形
[正方形](square):
・定義: 4つの角が等しく、4つの辺が等しい四角形
(長方形、ひし形の一種)
・性質(対角線をのぞく):
①4つの角が等しく、4つの辺が等しい(定義)
②平行四辺形の性質すべて(平行四辺形の一種だから)
③長方形の性質すべて(長方形の一種だから)
④ひし形の性質すべて(ひし形の一種だから)
・対角線の性質:
①それぞれの中点で交わる(平行四辺形の一種だから)
②長さが等しい(長方形の一種だから)
③直交する(ひし形の一種だから)
・条件:
①4つの角が等しく、4つの辺が等しい(定義)
②長方形であり、かつひし形である
ex.対角線の長さが等しく、かつ直交する平行四辺形は、正方形
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~~証明編~~
※四角形をABCD、対角線の交点をOとする
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[平行四辺形](parallelogram)
・定義: 2組の対辺が、それぞれ平行である(台形の一種)
・性質(対角線をのぞく):
①(定義)2組の対辺が、それぞれ平行である
②2組の対辺がそれぞれ等しい(長さ)
③2組の対角がそれぞれ等しい
④となり合う角の角の和が180度
・対角線の性質
①それぞれの中点で交わる
・条件:
①(定義)2組の対辺がそれぞれ平行である
②2組の対辺がそれぞれ等しい(長さ)
③2組の対角がそれぞれ等しい
④対角線がそれぞれの中点で交わる
⑤1組の対辺が平行で等しい
<証明>-----------------------------
性質①: 定義
性質②: 2組の対辺がそれぞれ等しいことの証明:
対角線を一本引いてできる三角形が合同であることから証明する(2角夾辺)
性質③-1: 2組の対角がそれぞれ等しいことの証明:
対角線を引き対角をふたつに分ける→ふたつに分けた角のそれぞれの錯角を比べることで対角が等しいことがわかる
性質③-2: 2組の対角がそれぞれ等しいことの証明:
平行四辺形の一辺を延長し、同位角・錯角・対頂角が等しいことを用いる
性質④: 同位角を考える
対角線の性質: 対角線がそれぞれの中点で交わることの証明:
対角線を2本引き、対頂角を含む、向かい合う三角形が合同であることで証明する(②の"対辺がそれぞれ等しい"という性質と、2角夾辺を用いる)
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条件①: 定義
条件②: "2組の対辺がそれぞれ等しい→平行四辺形" の証明:
対角線を一本引いてできる三角形が合同(3辺相等)→錯角が等しい→対辺が平行
条件③: "2組の対角がそれぞれ等しい→平行四辺形" の証明:
四角形の一辺を延長し、同位角・錯角が等しいことを用いて対辺が平行であることを証明する(三角形の合同を用いない)
ヒント:
∠A+∠B+∠C+∠D=360°→2組の対角がそれぞれ等しいので、∠C+∠D+∠C+∠D=360°→∠C+∠D=180°
条件④: "対角線がそれぞれの中点で交わる→平行四辺形" の証明:
対角線を2本引き、対頂角を含む、向かい合う三角形が等しい(対頂角と、それを挟む2辺が等しい)。
↓
合同な2つの三角形の対応する角は等しい→錯角が等しい→対辺が平行
同様に、もう一組の対辺も平行であることを示す。
条件⑤: "1組の対辺が平行で等しい→平行四辺形" の証明:
対角線を一本引いてできる三角形は合同である(①対辺が等しい、②錯角が等しい、③対角線は共通→2辺夾角が等しい)→残った1組の対辺も平行(錯角が等しいから)→2組の対辺が平行→平行四辺形
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[長方形]
・定義:4つの角が等しい四角形
・性質:
①4つの角が等しい(定義)
②平行四辺形の性質すべて(平行四辺形の一種だから)
・対角線の性質:
①それぞれの中点で交わる(平行四辺形の一種だから)
②長さが等しい
・条件:
①4つの角が等しい(定義)
②対角線の長さが等しい平行四辺形
<証明>-----------------------------
性質①: 定義
性質②: 4つの角が等しい→向かい合う角が等しい→長方形は平行四辺形の一種
対角線の性質①: 長方形は平行四辺形(の一種)だから
対角線の性質②: 性質②により長方形は平行四辺形の1種→向かい合う辺は等しい→対角線でつくられる2つの三角形が合同であることを使って証明
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条件①: 定義
条件②-1: 平行四辺形ABCDに対角線を2本引く→△ABCと△DCBの合同を示す(三辺相等)→∠B=∠C→またABCDは平行四辺形であるため∠A=∠C,∠B=∠D→4つの角は等しい→長方形
条件②-2: 対角線を2本引く→平行四辺形なので、対角線は中点で交わり、かつ対角線の長さが等しい→対角線でできる三角形はすべて二等辺三角形→向かい合う二等辺三角形は合同(2辺夾角)→4つの角はすべて等しい→長方形
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[ひし形]
・定義:4つの辺が等しい四角形
・性質:
①4つの辺が等しい(定義)
②平行四辺形の性質すべて(平行四辺形の一種だから)
・対角線の性質:
①それぞれの中点で交わる(平行四辺形の一種だから)
②直交する
・条件
①4つの辺が等しい(定義)
②対角線が直交する平行四辺形
<証明>-----------------------------
性質①: 定義
性質②: 4つの辺が等しい→2組の対辺がそれぞれ等しい→ひし形は平行四辺形の一種
対角線の性質①: ひし形は平行四辺形(の一種)だから
対角線の性質③-1: AB=BCより△ABCは二等辺三角形→∠AOB=∠COBを利用し△AOB≡△COB→∠AOB=∠COB=90°
同様に∠AOD=∠COD=90°
性質③-2: AB=BCより△ABCは二等辺三角形→∠AOB=∠COB
また、性質①により2組の対辺も平行→錯角が等しい
これらにより、対角線はそれぞれの角の二等分線であることがわかる。これを利用し、対角線の交点を囲む4つの角がすべて等しいことを示す。4つの角がすべてひとしく、4つの角の総和は360→対角線は直交する
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条件①: 定義
条件②: 平行四辺形ABCDに2本の対角線を引くと、直角三角形が4つできる→ABCDは平行四辺形なので対角線は中点で交わる→4つの三角形はすべて合同(2辺夾角)→ABCDの4辺は長さが等しい→ひし形
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[正方形]
・定義:4つの角が等しく、4つの辺が等しい四角形
・性質:
①平行四辺形の性質すべて(平行四辺形の一種だから)
②長方形の性質すべて
③ひし形の性質すべて
・対角線の性質
①それぞれの中点で交わる(平行四辺形の一種だから)
②長さが等しい(長方形の一種だから)
③直交する(ひし形の一種だから)
(※長方形、ひし形の性質をあわせもつ)
・条件:
①4つの角が等しく、4つの辺が等しい(定義)
②長方形であり、かつひし形である
ex.対角線の長さが等しく、かつ直交する平行四辺形は、正方形
<証明>-----------------------------
性質①-1: 正方形は4つの角が等しい→正方形は長方形の一種→長方形は平行四辺形の一種→正方形は平行四辺形の一種
性質①-2 正方形は4つの辺が等しい→正方形はひし形の一種→ひし形は平行四辺形の一種→正方形は平行四辺形の一種
性質②: 正方形は4つの角が等しい→正方形は長方形の一種→長方形は対角線の長さが等しい→正方形も対角線の長さが等しい
性質③: 4つの辺が等しい→正方形はひし形の一種→ひし形は対角線が直交する→正方形も対角線が直交する
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条件①: 定義
条件②: 長方形の条件②とひし形の条件②を用い、この平行四辺形の角がすべて等しく、またすべての辺が等しいことを示す→正方形である